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                                    異空の神

第1巻




  第2章

  異空転移


  カトリーヌ



エリザベスが口火をきる、「あれは、魔法だったの?」

エリザベスが大きく息を吸い込みそして意を決したようにまた続ける。

「やっぱり貴方、この世界の人じゃない、あれだけ厳重な検査をくぐって飛行機のなかに銃を持ち込んでいた。

こちらに着いてからは・・・ロサンゼルスに着いてから後のことよ、ずっと、・・・・
私が見ていない情況はなかった、貴方は知らなかったかもしれないけれど、
私はずっと貴方を観察していたの。ここのシャワーブースの中に銃はおいてなかったし」・・・・・

「ちょっと待ってくれ、確かに自分自身訳がわからないことだらけだけれど、
銃のことは、説明がつくかもしれない、僕は予想されていなかった最後の飛び込み客で、
もう検査の係員も手薄になってたんだ」
「じゃあ・・貴方はなんでそんな物騒なものを持ち歩いていたの?」
「やっぱり訳がわかるように説明して欲しい」

エリザベスがブライアンをじっと見つめる。
「銃は多分もともとの僕の職業が警察官とかそういうことなんだと思う」
「それとさっきのピストル強盗は?」



「今思い出したような気がするけれど」
「どうやら僕は日本にいたらしくて、そのとき会得した技、が咄嗟にでたんだと思う、
『気功』というんだ相手が強烈な気迫で自分に向かってきたときに有効な技、で、
相手に触れることなく、相手を吹き飛ばしてしまう」

「気功のことは、私も聞いたことがある、日本人の友達から、・・・」
「でも違う、貴方はあそこのブーツのなかにナイフも隠している、
だからあなたがシャワーのあと銃を突きつけたとき、
貴方そのものが私にしかけられたとんでもない陰謀なのかとも思えたし、
もしかしたら殺されるのかもしれないと思ったわ」
「でもそれにしても何も心当たりはないし」
「だから、これは神様が私にとんでもないプレゼントをくれたのかもしれない
と思うほうがまだ納得がゆく感じになっていたの」

「貴方のもっている携帯電話、おかしいのは電話番号だけじゃない、
バッテリーがフルになっているのに何処にも繋がらないし、
アルファベットの出し方がちがう、
メールを打つときみたいにモードを変えないとアルファベットがうてなくなっている」
「私、探偵みたいかしら、でも現実世界では通用しない探偵ね」

「もういいの、信じられないことがもう一つこの写真のデイブを良く見て、
この左あごの黒子、・・・
貴方も同じところに、デイブは左利き、貴方は右利き、そこだけ違う。
体格からなにからすべて同じ」
エリザベスはブライアンにすがりつくように寄り添い囁いていた
「これから私にする筈の私のあのこへのお仕置きも同じだってわかっている」

「私、もう一度シャワーを浴びるわ」
ブライアンが借り物の衣服をクロゼットに返し、
男ものの白いタオル地でできたガウンを羽織ると、
カーテンの隙間から小さいが鋭い光がとびこんできた。
すぐに消えたその光が気になりそっとカーテンをひらくと
光は旋回してLAXに向かう飛行機のものだということがわかった。

1KMほど向こうに大きく海がひろがっているのがわかった。
カーテンを開けば朝の目覚めは素晴らしいものになりそうだった。
ブライアンがまたシャワールームで汗を流しタオル地のガウンを羽織って戻ると
ベッドの上にはもう白い悩ましい彫刻のようにエリザベスが身体を横たえていた。

突然襲ってきた衝動に、ブライアンもガウンを脱ぎ捨て、
背後からエリザベスの胸を抱き、向きを返させる。
すべてをゆだねるように力を抜いている唇をブライアンの唇が覆い、
舌を吸い込み、しっかりと噛みこむ、・・・大きく鷲づかみにし、
絞り上げた乳房を乳首を中心にがっぷりと噛みこむと、
「もっと、モット食べてしまって・・・」とエリザベスがちいさく鋭い悲鳴をあげる。
ブライアンは身体を反転させエリザベスの身体の中心に顔をうずめると、

花弁を歯にはさみ,
舌で責めるだけでは飽き足らないというように
舌を差込み秘められた肉襞を吸い込みそのあまりにも傷つきやすい粘膜に歯を立てていた。
攻撃は繰り返し繰り返しなんどもエリザベスを襲い続けた,
しっかり腿と腰を抱きしめたままのブライアンの攻撃は永遠のように続いた。

エリザベスが全身を痙攣させ、絶頂に達するとブライアンの本当の攻撃が開始される。
エリザベスが失神したように反応しなくなると、二人はまた同時に眠りにおちていった。
ブライアンがうっすらと目覚める、
エリザベスが抱きついてくると、「あのこが痛いわ、・・」といいながら、
唇をひらきブライアンの乳首を吸う、そして歯を立てる、
「わかっていたとおりのお仕置き、・・・・」
   
「君のいうとおり僕はどこか、他の宇宙から迷いこんでここにいるのかも知れない」
その夜の二人の会話は終わり、すぐに眠りのベールがすべてを包んでいった。
明け方の浅い眠りのなかでブライアンの脳裏に次々と今後の問題が浮かんでいた。
エリザベスとは今日このあとからどうすればいいのか、
彼女はどう考えているのか、どこまで、エリザベスに打ち明けるべきなのか?

エリザベスが起き上がり階下で食事の支度をしていた。
ブライアンの神経はまだ、警戒感を解いていなかった、
少し集中するだけで、階下の様子は目に浮かぶように感じられ、
何も心配の必要がないこともはっきりと認識できた。
真剣に集中すれば彼女の意思のようなものを
コントロールすることすら出来ることは確かのようだが、
意識の表に出ていない考えを覗くことは出来ないようだった。
あるいはあえてそうしたくないブライアンの心がそれをさまたげているのかも知れなかった。
ブライアンが目覚めたのを察したエリザベスが
階下から大きな声で語りかけてきた
「貴方のお好みの朝食を用意したのよ、
卵二つを半生にオムレツにして、あまり焼きすぎないトースト、
ハネジューメロン、ハム、アイスティーの甘いのをたっぷり、バター、とママレードのジャム」
飛び起きたブライアンは

階段を駆け下り、ダイニングルームの奥の
広々としたキッチンで料理を整え終えたエリザベスに
「朝食に僕がコーヒーじゃなくてアイスティーだ、ってどうしてわかるんだ」と叫んでいた。
「だって貴方は彼そのもの、なにからなにまで同じなんだから」
「君の亡くなったご主人とすべて同じというのも何か喜んでいいことなのかどうかわからない」
「考えてみて、まず1、記憶喪失というのはあの場を取り繕うための嘘、そうでしょう」
「2、明らかに貴方は他の宇宙、或いは他の次元から飛び出して今ここに居る」
「3、貴方はとんでもない実験の犠牲になったか、自分で望んでここに居るのか、
その両方なのか」
「SF的に物事を考えなければどうにも説明のつかないことばかりだから、
SF的に解釈した訳」
「貴方はこの世界ではなにか凄い力を発揮できる。それは確か」
「凄いマジシャンなのかしら?」

「そんなことは、即座に否定してあげる、
あなたがそんな人だったら私はとっくの昔に貴方の存在を知っている筈、
お金にまかせて亡くなった彼との霊界交信なんていうこともやってみたし
そんなことに力を貸してくれそうな人はさんざん探したの」
「みんなインチキ、でもある筈のない、
私をモデルにした救命胴着のパンフレットを見せられたとき、」・・・

エリザベスが急に涙を溢れさせながらやっとのように続ける
「あのときは咄嗟に話をあわせたけど、・・・
救命胴着のモデル写真なんて撮ったことはないの、
だから何か恐ろしい力を持った人かも知れないと思って改めて貴方の顔を見たわ」

「本当は貴方があわててあの飛行機に飛び込んできたその瞬間に死にそうに驚いた、
とんでもないことになっていく予感がしていたの」
「貴方は、貴方が居た世界での彼そのもの」「もっと、凄いことを言いましょうか、
貴方の携帯をもういちどチェックしたの、写真があったわアマンダの、
この人ね、というと、かなり前にあのサンクレメンテの桟橋で
片手を伸ばして撮ったアマンダとブライアンの2ショットを突きつけた、

私のすぐ近くに彼女はいたのよデイブの昔のガールフレンド、
でも名前はアマンダじゃない、カトリーヌ、
彼女は私がデイブと出会った頃他の恋人が出来かけていて、
お金のことばかり考えているデイブにいやけして分かれたの、
お金は邪魔にはならないのに」

「でもある意味でカトリーヌはデイブを裏切っていたの、
新しい彼と完全にうまくいく自信がつくまで、別れを切り出さなかったから」
「彼も私と出会って、どうやってカトリーヌと別れるか、悩んだんだから同罪ね」
「ほんの何日かだけだったけど」「私はわかった気がしてる。
私と貴方が今日二人でここに居ること・・そが運命なの、
もしかしたら貴方が私に与えている運命なのかもしれないけれど・・・・・」
「今はもうこれ以上あれこれ考えるのは止めるわ、
今日これからどうするか貴方のお話も聞かなければ」「まずお食事にしましょう」


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