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                                    異空の神


第1巻



第 4 章

飛  躍


生   家

翌朝遅く目覚めた二人は・・・・・・ルームサービスを頼み、
ゆっくり時間をかけて朝食を摂り終えた。
そのあとエリザベスは約束どおりMAIに電話を入れていた。
電話を終えるとエリザベスが
「MAIが午後1時30分から1時間、時間をとってくれたわ、
この部屋に来てくれることになったの、
彼女も東京と連絡を取ったりして様子を調べてくれたみたい、
ランチは?って心配して聞いたんだけれど1時半といったのは
ランチョンミーティングがその時間に終わるということらしいの、いいかしら」
とソファーに寛いでいたブライアンに訊いてくる。

午後1時30分丁度に部屋のチャイムが鳴り、
エリザベスがソファーに座っていたブライアンの所へあの東洋系美人を案内してきた。
「彼女この間はチラとしか会ってないから、
改めてご紹介するわ、細かな話は置いておいて、こちらブライアン・ラウル・・
これまでのいきさつは簡単に彼女には説明したわ。
それで彼女はMAI WATANABE,このホテルの副支配人、
あの日本の化粧品のお話をしてくださるそうよ」

「私、副支配人といってもまだ私の上に何人もいるんですよ、
接客業だからお客様の立場を考えて立派な肩書きにしているだけよ」

「総支配人、とか支配人、部門ごとに支配人がいるし・・・」
「まあそんなご謙遜はいいから、彼とお話をしてくれる」

MAIの話は、有名なデパートに売り場をいくつかでも
確保しているような化粧品会社ならいざ知らず、
小さな会社が新しい製品を市場に出すのは、
ブライアンが思っていた以上に困難で、
政府厚生関係の部門に商品を認可される必要もあり
通常そこに市場に出すまでの苦労がある。
ということだった。

ただしあの酵素を微生物研究所から配給してもらうことには
それ程の問題はなく、お金の部分も交渉次第だということだった。
向こうが一番こだわるのは売り上げ高に応じた見返りが欲しいということで、
単に原料供給の域から出ないような、
いまの桜香堂との契約には懲りているということだった。

ブライアンにしても昨日あの金庫室に蓄えられた少なくとも
3億ドルに及ぶと思われる自分の財産の存在を知った今、
化粧品の販売で何とかそれなりの会社を築いていこうと
天啓のように閃きを感じたときとは、気分が変わっていた。

MAI WTANABEとの話は一度思い立った化粧品会社に関する話から、
今売りに出ているワイキキの浜辺に近い素晴らしいコンドミニアムの話題に移っていった。
ミスWATANABEはその場で不動産業者と連絡をとり、
早速その日のうちに物件を見る段取りをつけてくれ、仕事に戻っていった。

不動産業者のセールス担当は日系の中年女性ミセス、岡崎だった。
コンドミニアムはホテルから歩いてでもほんの10分で行ける場所だということで
周りの情況を知るためにも歩くことにした。
コンドミニアムからの眺めは申し分なかった。
ルーフテラスから左方向にダイヤモンドヘッドをのぞみ
居住部分を回り込むと背後の山の緑をのぞむこともできる。

部屋自体はそれ程大きくはなかったが、
エリザベスはテラスの開放感がなんとも言えないと
すっかり気に入ってしまったようだった。
その場で決めても構わない情況だったがむしろ不自然だと思え
「決めるつもりなので明日連絡するまで待って欲しい」
というと明日は独立記念日で不動産業も休みということだった。

それでも、エリザベスの
「自由にハワイと行き来するためだけの場所だから、
少しでも早い方がいい・・・これくらいの買い物軽いものでしょう」
というミセス岡崎に聞こえない場所に移動しての一言で
「休み明けに代金を指定口座に振り込むので、
キーをミス ワタナベに渡しておいてもらうということまで決め
ミセス岡崎のオフィスに移った。
急遽駆けつけた売主にミセス岡崎が180万ドルまでの譲歩を確認し、
そのまま契約書類にサインをすることになってしまった。

契約上さらに必要な手続き、
物件の登記その他の確認はMAIの紹介する弁護士に頼むことまで決め、
ホテルに戻りMAIを捕まえると、またひとしきり打ち合わせをした。
さすがに、MAIが「なんて、早い決断なの、確かに物件はいいものだと、
私が推薦したものだったけど、
180万ドル即金なんてMR ラウルはどんなお金持ちなの」
とエリザベスを羨むように見やる。

ワイキキでの180万ドルの買い物についてミス、ワタナベと入念な打ち合わせをした後
「日曜の便でロスに戻るのでまた連絡を入れる」という約束をし、
エリザベスが「貴女に似合うと思って買っておいたのよ、
とんでもないお願いをしてしまった御礼、お詫びと思って受け取って欲しいの」といい、
「カルロスファルチ」のバッグをプレゼントした。

「ワオー凄い」「でも正当な報酬ね」とマイは喜んで受け取った。

マイが部屋を去るとブライアンがエリザベスに
「ところで、現実の話、僕達は飛行機の予約が取れないかも知れないね、
独立記念日から3連休なんだから、
何処かの暗がりから荷物を殆ど持たずにロスに移動することを考えた方がいいかな?
この次からはあのコンドミニアムが利用できると思うけど」

「でも待てよ、カードキーは返却の必要もないし、
日曜の晩までこの部屋をキープして、特にチェックアウト手続き無しということにしたから、
この部屋から移動してもいいんだ、頻繁にやると不信に思う人間も出てくるかも知れないけど」

「それと瞬間移動にもっと慣れてもいいと思うんだ、
この時間ならロスの僕の新しい家もエリックが帰った後だし、
一寸戻ってみてもいいかと思うんだけれど」
「やってみて、念のため、ドント・ディスターブの札を出しておくわ」
札を出し、辺りを入念にチェックするように見回し、
「貴方も忘れ物をしないで、私はバッグとコンドミニアムの関係書類を持つわ」
「明日の朝にもここに戻って来るかも知れないけれど、
この部屋に置き忘れる危険を考えれば、今ロスに持って帰った方が安心だから」
というとエリザベスがブライアンに寄り添う。
夕方5時のハワイから移動した二人は、ロス、B/L不動産ビル・・・・
既にブライアンの頭の中に出来ていた呼び名・・B/Lハウスの9階、
ブライアンの家のリビングルームに音もなく戻っていた、午後8時だった。

昨晩の贅沢な買い物は冷蔵庫にまだ充分残っており、
夕食の用意を心配する必要は全くなかった。
エリザベスは興味の赴くままキッチン、ダイニング、リビング、
と見て廻り飾り棚の後ろの壁に隠されたセキュリティーボードを発見すると
「本当に凄い、看視カメラに不信映像が出ると、
警備会社で警告ブザーが鳴るんですって」
と叫ぶ、まだ殆どマニュアルを読んでいないブライアンも改めて
このシステムを組み入れたのが自分自身の潜在意識だったのかも知れないと、
今さらのように大したことになっていると、感じていた。

さらに二人は地下3階に降り秘密の金庫室に足を踏み入れた。
ブライアンはエリザベスが巨額な現金、
や債権の山に気をとられている間に、宝石、貴金属のひき出しの中から
素晴らしいダイヤのネックレスを見つけると、
エリザベスへのプレゼントとしてそっとズボンのポケットに忍ばせた。
休み明けには預金証書を持ちクリストファー・パーマーと銀行めぐりをすること、
ワイキキのアパートメントの支払いを済ませる事と改めて頭に刻んでいた。

リビングに戻ると「本当に凄い、現金の山、国債や他の債権類なんかも凄いわ、
私は自分がお金もちだなって思っていたけれど、
何もかも合わせて1千万ドルくらい、
金庫室にあったのはその何十倍、私、貴方の足元にも及ばないのよ」
エリザベスがため息をもらす。
「あんなにお金があっても貴方は何か事業をやらなければならないのかしら」
エリザベスがどうなのという顔でブライアンに向き直る。

「僕もわからなくなってきているんだ、でもお金だけでは、
もっと言えば例え君が居てくれても、それだけでは幸せになれないと思うよ」

人間関係を少しずつでも構築していく必要はあるんだ、
それには何かを始めなければならない気がする」
「大体男というのは、昼間はどこかで仕事をしているものだし、
女性の君だって、今は仕事をしているじゃないか」

二人はまたテラスで夜景を眺め、ディナーを楽しんだ。
簡単に後片付けを済ませワインのグラスだけを前にした頃合を見計らい
「ハニー、君にプレゼントがあるんだ」
「一寸目をつぶっていてくれる」といいながらブライアンはエリザベスの後ろに回り、
あのダイヤのネックレスをそっと着けてやった。
「何、ネックレスかしら」
「ワア凄い大粒のダイヤよ」というとリビングの鏡の所に飛んでいく。

「スゴイ 凄いわ、でもこれ、・・・ちょっと人前に着けて出られないわよ」
これがどれ位の価値のものか貴方わかっていないでしょう。

100万ドルはすると思うわ、嬉しいけど恐いわ、
喜んで、いただくけれど、でも安全な所にしまっておかないと」

「とにかく有難うでも凄すぎて実感としての喜びにならないわ、
婚約リングのほうがもっとピンときたかも、
勝手なことを言ってごめんなさい」・・・
二人とも何か急に物事を真剣に考えなければならない気分で
現実を見極めようとするように、
「世の中の動きに遅れないよう」などと言い合い、
夕刻のテレビのニュースをあちこち追いかけ、
最後はルーフテラスの一角に設けられたジャグジーでまた夜景を楽しんだ。

二人は翌朝ブライアンの家で目覚めるとすぐ間違えのないように身支度をし、
ワイキキのホテルの部屋に移動した。
ワイキキでは独立記念日の朝が明けようとしていた。


独立記念日に続く休みも明けた2日後、
エリザベスのコンドミニアムでの朝食の後フライトのため
LAXに向かうエリザベスを送り出すと、
ブライアンは車でBLハウスに向かった。
少しでも怪しまれないために、
多少時間が掛かっても昼間の移動は車がいいと考えたのだ。

パーマーとの銀行巡りも無事昨日のうちに終え
ミセス岡崎から紹介されたあの売主の口座に180万ドルの振込みも済ませた。

ブライアンはすっかり自分のものになったリビングのソファーに寛いでいた。
初めに心に浮かんだのは、
「何のためにあのワイキキのコンドミニアムをこれほど短時間の間に買ったのか」
「今さらミスワタナベが預かってくれているコンドミニアムの鍵を
受け取るため飛行機の旅をするのも面倒な感じがする、
しかし瞬間移動という手を使っていては、
どこかで不自然さが出てしまう」


「いつワイキキのコンドミニアムの鍵を受け取るべきか」
など、とりとめのない思いだった。
しかし考え込むうち行き着いたのは、今自分の置かれている情況、
そして今後のこと、何のために?何を? どう考え、
行動するのかという問題だった。

ブライアンの脳裏にはいつしかまた、
もう20日も前ということになってしまった実験施設での一瞬、一瞬が浮かんできた。
NYへの瞬間移動実験に臨もうとしていたあの時、
ブライアンはエルトロへの瞬間移動実験のことを思い出していた。
研究チームに説明されるまま実験施設の丸いプレートの上に立ちほんの一瞬後、
エルトロの倉庫に移動したことを認識する。
そこには何故か何の感動もなかった。
実験成功後、基地施設内での3日にも及ぶ監禁同然の身体チェックに
「もう少し何かいい思いをさせてくれてもいいじゃないか」
と不満を覚えたのはあの実験があまりにも
達成感を与えてくれなかったからかもしれない。

「どうせ魔法のような手段でNYへ移動するなら、
移動した先がちょっと自分にとって都合の良い世界になったって構わない」
などという思いが瞬間湧き、次に「自分に超能力、魔法が備わったら」
という空想が続いたようだ。
しかしあの猛烈に頭も身体も揺さぶられる感覚のなかで
「それだけじゃ駄目だ自分の居る場所、整合性のある巨額の財、
勿論ソシャルセキュリティーナンバー、運転免許証、素晴らしい住まい」
などという切れ切れの思いが駆け巡ったのだ。
「それはいい、今、一番問題なのは、『それでどうする?』ということなのだ」
「これが自分の運命だと捉えると、
それでは神は私にこの世界で何をさせようというのだ?」
という疑問に突き当たる。
 神という存在を意識したとき
「この世界での自分は何者なのか」という疑問にも突き当たる。
「魔法使い、超能力者、・・・」
しかしこの世界で自分が神などでないことだけは確かだった。

大体、神とは何なのだろう、「全知全能の神よ」という祈りの言葉は正しいのか?
神は自ら何を喜びとするのだ? 神は人類に何をさせようとしているのか?  
    答えの見つからない問題であることはわかっていた。

そして「この世界で自分になにが出来るのか?何を成すべきなのか?」
という問題こそ今自分が考えるべきこととブライアンは結論した。
例えこの世界がブライアンにとって都合の良いようになっている世界だと考えても、
その能力は、過ぎ去った過去の出来事に関わることは全く出来ない。
この世界に巨大な物体を創出することもできそうもない。

そう考えながら目の前のセンターテーブルの上に小さなそれでいて価値のあるものを、
例えばロレックスの金の腕時計を出現させようと念じてみる、
文字盤の様子、鎖の情況と、具体的に思い浮かべてみる。
しかし自信の持てるだけのイメージは出来上がらない、
ともかく今、自分の左腕にあるこの時計、金で出来ている・・・・
テーブルのうえに金色に光る腕時計らしいものが出現した。・・・・・
しかしそれはかなり似ているとはいえ、
そのような形の金属の塊に過ぎなかった。

確実なすべてを把握できないイメージは実体として創出することは出来ない。
ブライアンは当然の結果と思いつつも、
この世界で自らに与えられた力の卑小さを味合わされていた。
こんな奇妙な物をここに置いておくわけにはいかないと感じながら、
次にそれを消去しようと念じてみる、
意外なことにそれはかき消すようにその場から消えていた。

多少の不安とあせる気持に促され、
ブライアンは腕のロレックスを外しテーブルに置く。
慎重に意識を集中しロレックスを意識の網で包み込む。
次にそれを複製しようと念を込めた。
一瞬後元のロレックスの脇に、間違えようのない本物のロレックスが現れる。
二つの腕時計の針は3本とも全く同じ動きをしていた。
ブライアンはテラスに出てみた。
この住まいでエリザベスが特に気に入ってくれた場所だ。
エリザベスのコンドミニアムがあると思える方向に目を凝らす。
空気が澄み切っていないせいか、
海が見えているかどうかはハッキリしなかった。

高層ビルの立ち並ぶダウンタウンを見渡し、
ここから見えるロスの夜景の素晴らしさは毎晩でも見てみたいと改めて感じる。
今晩、明日とエリザベスが一緒にそれを見られないと思うとほんの僅か前、
彼女のコンドミニアムから送り出したことも遠いことのように思え、急に寂しさを感じていた。

ブライアンはここへ車で来る途中、LAPDの分署の前を通り過ぎたのを思い出し
どの辺りだったかと探してみた。

テラスの正面真下を、1,2キロメートル辿った辺りにそれらしい建物を見つけ、
この前のテロリストの事件を思い出した。

彼女、ダリアは今どうしているのだろう、
エリザベスの存在を意識すると多少罪悪感を感じる思いだったが、
あの時エリザベスの目と心を通じハッキリと観察した彼女の姿が、
ブライアンの脳裏によみがえってきた、
肌の色はエリザベスの肌に薄くコーヒーをまぶしたような感じで
キメ細かな滑らかさはまた違うエロティシズムを感じさせる。

情熱的に見える、黒目がちのクッキリとした目、やや鋭く感じられるほどの鼻筋、
全体的に筋肉質に感じられるものの、
骨細の骨格を薄く覆う肉はしなやかな柔らかさをも予想させた。
そして今すぐにでも欲しいほどのすごい豊かさの胸。
・ ・・ブライアンは今どこにいるのかさえ全くわからないダリアに
欲望を感じている自分に戸惑いを覚えていた。

自らに対し「浮気男め・・と」叱責の忍び笑いがもれそうになった時だった。

緊迫感・・・それが、いきなりやってきた。
それは、危険を感じさせる複数の思念だった。
ブライアンの意識は引き込まれるように研ぎすまされ、
急速にそれらの思念に吸い寄せられていった。
それらの思念が何処から発せられているのかはすぐに確認できた。
ブライアンの家の前に1台の黒いバンが駐車しており。
男が二人車のなかで会話していた。
「どう見てもこの家はおかしいんだ、コンドに見えるが、
殆ど人が出入りするのを見たことがねえ」
「おまけに、しれっとしてドアを開けて中に入ってみたんだよ、
守衛みたいな親父が居たんだが」
「広いロビーみたいなのはあるんだけどよ、エレベーターホールとかそんな・・
人が出入りするような場所がねえんだよ」「なんか秘密めかしてるんだよ」

「すみませんこちらにスミスさんてお宅は?
なんて守衛の親父に聞いちまったよ」
「そしたら『こちらはラウル様のお宅です、直ぐに建物から出てください』
だってよ」個人の持ち物らしいのよ」
「この家のどっかには、タップリ金を隠してる場所があるんじゃねえかと睨んでるのよ」

もう一人の男が「そりゃ、あるかもしれねえさ、だけどどこを探せばいいのよ、
それによほどの覚悟でもなけりゃ、この頑丈そうな家、荒らしまわるのも難しいぜ」
意識の触手に男達の会話を捉えると、
ブライアンは苦笑を漏らし緊張を解いた。
今この瞬間も看視カメラが黒いバンを捉え、
数分で到着できる警備会社の巡回車両が近づいている筈だった。

ほっと一息つく気分でテラスの心地よい寝椅子に寛ぎ、
ブライアンは昨晩のエリザベスとの会話を思い出していた。

「もうすぐ、パリから両親がカリフォルニアに戻ってくるわ、
最初は家探しということで2週間の休暇、遅めのバカンスね」
「そのとき貴方を紹介したいけれどいいかしら」
ブライアンに駄目だといえる訳がないのを知りながらのセリフだった。
「そうなると、デイブのご両親の件を解決しておかなければならないの」
「結婚式に貴方のご両親がいてくれたほうがいいということもあるけど、
それ以上に貴方がデイブとそっくりなのを私の両親に納得させることと、
デイブのご両親が実は貴方のご両親でもあるということをやっぱり、納得させておかなければ」
「確かにこの世界での僕のアイデンティティーは
そういうところまでいかないと確立しないのかも知れない」・・・・・

この世界に迷い込んで、
一度はもう会えないと思った両親に会いに行かなければならない
という奇妙な事態は、これまで遭遇してきたどんな事件よりも
ブライアンを忸怩とした気持にさせていた。

「デイブの両親は果たして自分の両親とそっくりなのだろうか」
「向こうはラウルではなくアンダーソンなのだ」「家は???
イチゴ畑は??元の世界のブライアンの実家と同じロケーションにあるのだろうか、
家自体の形、広さ、畑の広さ、地形」
次々と湧き起こる、疑問・・・・
「家のなかの様子、近隣の人々・・・一体どうなんだろう」
という思いは徐々にブライアンの気持を落ち着かないものにさせていた。

ブライアンの心のなかに少しずつ「次の行動」が形を取りはじめていた。
確とした使い道は判らないまま地下3階の金庫室から30万ドルの現金を掴み出し
手ごろなバッグに詰め込むと、駐車場から車を出し、ダウンタウンに向かった。
目当ての店で思いつく限りの必要なものを手に入れる。

エリザベスには彼女がNYに到着したあと、
携帯で連絡をとる事に決め、その日の昼過ぎジープ・チェロキーを北に向け走らせていた。

どうせなら、できるだけ海岸淵の景観を楽しみながらとも考えたが、
あまりにも時間が掛かり過ぎそうだった。フリーウェイをひた走ることに決め、
カーナビで最短時間コースを選択しカーメルに向かう。

この季節のドライブは喉が渇く、
それにハイブリット仕様のためガスを食わない経済走行の車も、
途中給油をしなければならなかった。

ブライアンはフリーウェイを降り、
夏休みの最中、家族連れでにぎわうサービスエリアに入った。
乾いた喉にコークを流し込み、
ハンバーガーを口にほおばりながら「ドライブの途中ですら一人旅では、
こんな簡単な食事もなんだか様にならない、
やはり一人ボッチではなにもかもがしっくり来ない」と孤独感をつのらせていた。

いよいよ後一息でカーメルと思える辺りで、フリーウェイをそれ、
レストランとモテルが向かい合わせに営業している場所を見つけると
ビジネス旅行を装い、ロスのダウンタウンでの買い物と現金30万ドルを入れたバッグを手に、
まずモテルに部屋をとった。午後8時過ぎだった。

携帯でエリザベスに連絡を入れ、「明日デイブの両親に会い
『デイブに双子の兄弟がいたということを心に刷り込む』そのために変装し、
弁護士を装う、始めは『デイブが残した遺産の隠されていた部分、
をお預かりしているとかそんな話からでも』
ともかくその場になってみないとわからない」とだけ伝えたのだった。

最近建てられたらしいモテルの部屋はなかなか広くきれいだった。
カーメルの街中のホテルなら3倍の料金は確実に取られるし、
まずこの季節に予約なしでは無理だったろうなどと考えるとなかなかいい選択かもしれなかった。

ブライアンは「この世界ではこれだけの金持ちになっているのに、
キチンとした金銭感覚をも失っていない」自分に「これは大切なことだ」と言い聞かせた。

ブライアンはバッグの中から午前中の買い物の紙袋を取り出すと、
部屋の鏡に向かって椅子をすえた。
取り出したのは、肌の艶をなくし老けて見えるようにするクリーム、
白髪の鬘、太く、白いものの混じった付け眉毛、白い大きなもみ上げ、と顎鬚だった。
ブライアンは鏡の前で変装に取りかかった。

高校生時代の演劇の舞台を思い出し、つい笑い出しそうだった。
白髪、髭となんとかなりそうだったが、
肌の感じはどうしても不自然だった。
クリームを塗った顔の表面に自然な細いしわが刻まれるよう念じ両手の指であるべき方向に、
描くように顔から首へとイメージしていく。

見る見る自然な、老けた肌ができあがっていった。
なかなかの出来栄えと思ったが、肩から腕へと目を移したとき、まだ不十分なのに気がついた。
身体を見せるとたくましく艶のある肌が歴然と現れてしまう。

ブライアンは急にまだ準備が足りないと感じた。
両親の周辺に、もしかしたら何人もの人がいるかも知れない。

「弁護士を装って両親と会う」というアイデアは、ほんの少し前、
エリザベスとの会話のときまでは漠然としたものだった。
一応は初老の弁護士が訪ねて来たように、
こちらが気付かない目からも見えていなければ、・・・・・
ブライアンは肩から腕、手とクリームを塗り、
艶の落ちた皺っぽい肌をイメージし右、左と念じながら掌を滑らしていった。
今度は実に良い出来に思えた。

ズボンを履いているから脚のほうは気にしなくてもいい。
ブライアンは部屋に施錠すると外廊下から直接通りへ出て向かいのレストランに入っていった。
やや年寄りくさい足取りを意識し、それ程混んでいないため「どちらの席でも」
というウェイトレスの言葉に従い角の広いコーナーに腰を落ち着ける。
ユックリと周りを見渡してみると、店は思ったよりもかなり広く、
天井が高いせいか郊外レストランのなかではかなり贅沢な造りに感じられた。

特にブライアンに注意を向ける目線もなかったし、
そこにいた十数人の客の誰一人意識を向けている様子もなかった、
一応感覚をはしらせてみるが結果は同じだった。
ウェイトレスがオーダーをとりにくると「なにか、この店のお勧め料理は?」と尋ねてみる。
「ちょっとお高いんですが、ブロイルド、ロブスターのコースはいかがでしょうか?」
「これなら、他に付け合せの料理を考えなくても最高のチョイスになってますので、
あれこれ考えるよりは割安かと思います」という彼女をみあげると、
まだかわいい女の子という感じだった。
胸の名札にはアニーと書かれていた。地元の高校生のアルバイトかも知れないと思いながら
「OKアニー、君のお勧めに従おう」と答えてやった。


料理はお勧めなだけあってなかなかのものだった。
ロブスターだけではなく味わいのあるビーフのたたきの前菜も
どこの肉を使っているのかと思うほど美味かった。
食事を終えアニーを呼ぶと思い切りチップをはずんでやり
「ちょうど僕の娘くらいの年かな」と言うと「お客様、
私の父と感じが良く似ているんですお心付けいっぱいいただいて・・・
ありがとうございます」と小声で送り出してくれた。
つい探ってしまったが、アニーの意識に全く不自然なものはなかった。
「変装は完璧だったのだ」

モテルの部屋に戻るとブライアンは明日のことを考えた。
昼12時前なら元の世界でブライアンの父親は午前中の仕事を終え
家に戻り母の用意した昼食を摂るはずだ。
こちらでも同じ情況であることを祈りながら、
オーストリッチ皮の立派なカード入れに用意してある、
パーマーのネームカードのコピー30枚を確認した。
何かのときのためには実在の人間になりすましておく方が問題が起こらないと考え、
変装もパーマーに似せて考えたのだった。
パーマーにも電話をし、後に万が一デイブの両親から連絡があったとしても、
不信感を抱かせないだけの応対をするよう言い含めてあった。

怪しまれずにデイブの両親のどちらかに近づければ、
そのあとは簡単にコントロールすることが出来る筈だ。
翌朝、時間を調節する意味でもドライブの時間を
とらなければならないのを感じたブライアンは昨年も、
父からプレゼントされたレクサスを気持ちよく飛ばし、
楽しんだモントレーの海岸に車を向け元の世界と全く変わらない大好きなゴルフリンクスと
青い海の景観を確かめると、元の世界でのブライアンの実家に向かった、
両側に広がるイチゴ畑にはかなりの数の収穫人が散らばり、
それらの人の目がブライアンの車に向けられているのが意識される。
「後で人の記憶を操作するといった、面倒なことを考えないで済ますためにはそれなりの準備が必要だ」
と思いながら人気のない海岸に駐めた車のなかでダークスーツに着替えておいたのは正解だったと思った。
いよいよ左手に緩やかな斜面を貫く側道を遥か上った奥に実家が見えてくる。
なにもかも全く元の世界と変わらなかった。
ただ側道の入り口の標識にかかれた苗字がラウルではなく
アンダーソンとなっていただけだった。

側道を上り、実家のゲイトに近付くと玄関扉の直ぐ前に
ブライアンの父が使っていたのと同じ農作業用のトラックが駐っていた。
わざとゲイトの外に車を止めたブライアンは徒歩でアンダーソン家の玄関扉の前まで行き
チャイムを鳴らした。

中から女の声がし、一応用心して覗き窓からこちらを確かめた彼女がドアを開けた。
まさにブライアンの母親だった。
一瞬気が動転しそうになり「まあ、ブライアン」
という声が母の口から飛び出すのではないか・・・
いや「デイブ」かなどと思う。ブライアンは気を取り直し、
いぶかしそうにこちらに顔を向けている母親の顔を見やった。

「アンダーソンさん、・・亡くなったデイブのお母様ですね。
私、生前のデイブからある頼みを受けていた弁護士のパーマーと申します」

もうここでしっかり気をとりなおしていかなければと本来の目的すら忘れそうに
動転してしまっている自分をブライアンは心のなかでムチ打たねばならなかった。
「大切なお話です、お父さんを呼んでください、居間でお話しましょう」と念をこめる。
デイブの両親の名前を確認することすらしていなかった自分のいい加減さに
心の中で呪いの言葉を吐きながら父親が現れるのを待った。

母親の父親への呼びかけで彼の名がブライアンの父と同じトーマス
だとわかり母もまたヘレンだと確信した。

アンダーソン家のソファーに腰を下ろすとすぐに
父親が母に腕をひかれてやってきた。
ブライアンは父親のやや緊張した面差しに向き合うように立ち上がると、
握手をし「これから私の言う言葉を良く聞いてください」といきなり切り出す。
「実はあなた方の亡くなった息子デイブには双子で瓜二つの兄弟がいるのです。
デイブと一緒の日に生まれた彼はアトランタの富豪の実子として育てられました」
「デイブが生まれた頃こちらの農園は経営的に苦しかったのです。
お母さんの方は知らなかったことですが、
MRアンダーソンは借金をかかえており、
お友達の病院経営者、名前は私もわかりませんが、
彼に連帯保証人になってもらっていました」
「最初の超音波の検査を他の病院で受けていたため、
生まれたのが双子だと薄々知っていた筈のお二人も
『ともかく、まともに生まれたのはデイブだけだった』
という彼の言葉を鵜呑みにせざるをえませんでした。
それは、『私を信用できないのか?それなら私も貴方を信用しない、
今すぐ借金を返済して、私が苦しんでいる情況を解消してくれ』と
病院長に厳しく言われてしまったからでした」
「デイブの双子の弟はブライアンと名づけられ、
先程もお話したアトランタの富豪ラウル夫妻の実子として育ちました」
「あの時ラウル婦人もあの病院に入院されていました」
「臨月を装って・・・」

「しかし、その後、彼ブライアンが16歳のときラウル夫妻はあの同時多発テロ事件の時、
乗っていた航空機が撃墜されるという悲惨な事件のため亡くなってしまったのです」
「彼はその後あるところに引き取られ無事に成人し、
今では、御両親の遺産を受け継ぎロサンゼルスに住んでおられます」
「先程も言いましたが彼の名はブライアンです」

「さあ、ここまでの話を事実として心に刻んでください」
ブライアンは強く二人に向け念を送っていた。
話し終えると、パーマー弁護士に変装したブライアンは、
あらためて両親の方へ向き直った。

混乱した様子のトーマスが突然口を開いた
「もう30年以上も昔のことになります。
あの頃私の農場は経営的にかなり苦しかったことは確かです」
「しかし私の方の借金はそれ程多額のものではなかった。
向こうの、つまり医者のバートンの借金が多かったのでせめてこちらの分もと、
彼が進んで連帯保証しただけで、私の分は結局長期に硬い銀行から
借りる形のものだったので問題もなかった」

「本当に困った問題は医者のバートンの借金だった」
「日頃イチゴの収穫人が急病で倒れたりしたとき世話になったこともあり」

「私はつい医者のバートンの『迷惑は掛けないから』と必死に頼んできた
借金の連帯保証人とかを引き受けてしまったんだ」

「その借金の連帯保証人の私に対する返済や
利息精算の催促はそのころもう始まっていたんだ」
「バートンは私にこう言ったんだよ『奥さんのお腹のなかには
健全な赤ん坊が一人は育っている、しかしもう一人』
・・・その・・お腹の中の子は双子だと、

ところが、『何かの理由でそのもう一人の方は育ちが悪い、
死産になるかも知れない』とね」

「そして『もしそんなことになっても騒がないで欲しい、
あんたの連帯保証あれは、他の人に代わってもらえることになったから』とね、
訳のわからない話だったが、その後もしばらく続いた金融業者の、
『農園を売って連帯保証を実行しろ』という催促、イヤガラセは続いたんだが」・・・・


「彼が前に言ったとおり結局双子の片方は死産だったが、
デイブの方は無事生まれた」
「その後イヤガラセ、金の催促は全くなくなって、
連帯保証債務消滅のお知らせとかいうのが届いたんだ」

「そういえば、医者のバートンが、昨年亡くなってね」
「なんでも急性心不全とかで、・・・
痩せなきゃ駄目だと周りから言われていたよ」
「医者の不養生というのか」黙ってトーマスの話しを聞いていたヘレンが
「本当は薄々私にもわかっていたの、
最後まで私のお腹のなかで二人の赤ちゃんは元気だったと思うわ」
「でもお産のとき何かの薬を打たれたのかしら、殆ど朦朧としていたの」
「無事にひとり生まれたんだから良かったよと言われて」・・・・・

「それで、デイブの弟のブライアンといったかしら」
「その子には私たち会えるの・・・えーとパーマーさん」
ヘレンの表情は一度はあきらめていた子供に会えるのかもしれない
という期待にいまにも叫びだしそうに見えた。

トーマスの話を聞き終えるとブライアンはショックに打たれ
しばらく口をきくこともできず
「ちょっと、お待ちくださいこちらのほうも少し整理してみますから」
と言い考え込んでいた。

「自分自身に都合のいいこの世界で
ブライアンのアイデンティティーを確立するために、
デイブが死に、アトランタのラウル夫妻とその息子ブライアンが死んでいる
ということなのだろうか?」
しかし、そうではない、という心の叫びにブライアンは耳をかたむけていた。
ブライアンはすべてが整合をとれる世界を選んだという事が言えるかも知れない、
しかし、ブライアンの能力は、
例えこの世界においても過去の事象に影響を与えられないと
結論したばかりなのだ。もう一つの疑問がある。

自分がパーマー弁護士を装い、
念を込めてトーマスとヘレンのアンダーソン夫妻に与えた暗示は
微妙に覆されたではないか?
そしてパーマー弁護士を装った自らの言葉を思い出していた。
借金の連帯保証はお互いだった。
そして深刻だったのは医師のバートンの借金の方だった。
借金を返済して楽にさせろ、と言ったのは、連帯保証を実行しろということになる。
トーマスの言葉はブライアンの暗示に逆らっていたわけではないのだ。

ブライアンがヘレンに向かい
「奥様、さぞブライアンにお会いになりたいことでしょう」
「あと数日のうちにお会いになれると思いますよ」

ヘレンとトーマス、二人の顔が輝く。
「実はもっと、お話しなければならないことがございます」
「ブライアン私にとってはブライアン・ラウル様ですが・・・
がこちらのご両親の存在を何故、知る事が出来たのか?
実子としてラウル家に育ったブライアンが、
実は本当の生みの親が別にいるなどということを知るチャンスは全くなかったのです」

「しかし奇跡が起きました」・・・ブライアンはあまりにも芝居がかった話し方を
し過ぎている気分になっていた。

しかしそれがトーマスとヘレンをこの後、本当の両親と思い、
自らもほんとうの息子と信じられることを痛切に望んでいるためだと悟ると言葉を続けた。

「デイブの奥様だったエリザベスを覚えておられますね」
「ま、まあ、エリザベスね、あの子は本当にかわいそうなことだったのね、
ほんとうにこれ以上ないほど、デイブを愛してくれていたわ」「元気でいるのかしら?」
「勿論です・・・
そのエリザベスさんがブライアンの存在を見つけ出したのです」

「どういうことなのかしら?」
「彼女はデイブとの出会いだった、飛行機のキャビンアテンダントの仕事に戻ったのです、
そこでデイブとのときと同じように出あったのが、ブライアンだったのです」
「あまりにもデイブとそっくりのブライアンに会って、彼女は卒倒しそうなほど驚いたそうです」
「そしてその後、彼にまとわり付くようにして彼の生い立ちを聞きだしました」
「その後二人は愛し合うようになり、今、二人は・・その婚約状態にあるわけです」・・・・

「本当なの、またエリザベスが私たちの娘になるのね、夢、夢だわ・・・」
ヘレンがトーマスに抱きつき踊りだしそうになっていた

ブライアンは彼女が実はまだ驚くほど若いことに気付いた。
デイブの母親として見る目がブライアンの目を客観的にさせ、
自分の母親として無関心に見ていたときとは違う感覚を与えてくれたのだと感じていた。

トーマスもまだ働き盛りの、初老ともいえない若さに見えていた。
トーマスが57歳、ヘレンは54歳の筈だった。
ブライアンは少しでも早く「彼らの息子ブライアン」
として二人に会いに来たいという気持で胸が膨らみその思いで胸が痛くなるのを感じていた。

ブライアンが気をとりなおして続けた「2,3日うちに、エリザベスから、
こちらに連絡が入ると思います」
「彼女がご両親にブライアンを引き合わせたいということです」
「私はその前の地ならしの意味でこちらを訪問させていただきました」
「それと、ブライアンとエリザベスからのお願いをことずかっています」
そう言いながらブライアンは持っていたバッグのなかから
紙袋を取り出しテーブルに置いた。

「現金で30万ドルあります」
「ブライアン・・つまりあなた方の息子さんは・・」
「あまり人には知らせないでください・・・・」
「実はかなりのお金持ちなのです」

「こちらも裕福なお宅だという事はわかっていますが、
それでもこれから先何かとお金のかかる事が増えてくる筈です、これ位の金額の現金なら、
『貸してあった金を返せと言ったら、イヤガラセのように現金を渡してきた』
『問題あるか?』といってやればすんなり銀行預金に入れられるはずですから」

アンダーソン家の経済状態がふと気になったブライアンは
「ところで、農園の経営の方は順調なんでしょうか?」と聞いてみた。

すぐに良くぞ聞いてくれたという、
意識の表面で喜びのたかまる波動がブライアンに伝わってきた。
「イチゴが高値で飛ぶように売れる、お蔭で俺もちょっとした金持ちだ」
「これこそ、人に言わんでくれ、
つい息子のことで嬉しくなってしゃべっちまった」
「テーブルの上のこの金は本当にデイブそっくりのわしらの息子に会えたら
そのときどうするか考えよう、
それまでは、デイブも知らなかった我が家の秘密の金庫におさめておく事にする」

ブライアンはパーマーに扮していることを忘れ、
余計なことを喋り出してしまわないよう、
「ランチを一緒に」と薦める二人を振り切り、アンダーソン家を辞去したのだった。


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